或いは回転する棺桶

アジャイルソフトウェア開発・IOS開発、デバッカー・

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

掌編十五編

傘 雨が止んだとき、私は傘をさしたままだった傘には雨粒が数的、素粒子のように付着していた。遠くから見たら私たちは何かの彫刻のように見えたことだろう。色とりどりの群衆のなかから何人かは黄色と銀の傘を絹糸みたいに擦れあわせながら私たちは何かの絵…

連続探偵小説【消失の消失】

計画経済は五年で終わりを告げた。 万里子はDVDに録画してあった「去年マリエンバードで」 を見たあと家を出てコストコで買い物をした。 店をでて途中親しくしていた佐里とすれ違う。 -なにを買ったの? 映画のなかのキスシーンを思い返しながらあどけない話…

連続掌編十五編

桟橋へ 階段を下りると、すでにそこにはいつもの 人々がいた。人形のような目をして遠くの 濁った川原を眺めている少女は死んだ魚み たいな瞳をしている少女の対角線上にいる。 魚を釣っている男は自らが下げているびく のなかに釣った鮎を入れていた。鮎は…

戯曲 〈 死んだ眉〉 IV 死んだ魚が干上がったまま上がってくる 眼がメタモルフォーゼしてヤモリみたいに 睨みつけてくる 〈眼〉アカハライモリみたいに睨めつけてくるな 〈眼〉やめろ 柳 揺れる 揺れる 揺れる 推論小説と推理小説の違い 〈 推論小説〉 theme…

3Dオブジェクトーキネクト

monologue 戯曲> 「死んだ眉」 ni 斧を担いだ雄猫 墓場の前で立ち止まる 信号機、斜めに曲がる そのまま点滅する 少年は黒い翼を持つ 図書館前で旋回する 樹はさざめくが林檎は実らない 戯曲 にじさんじ remix 「虹」 笹木、風を吸い込む 雪みたいに空気が眩…